青空文庫「全書籍電子化計画と著作権保護期間の行方」

あけましておめでとうございます。
著作権が政治やコンテンツ産業の圧力に屈してなし崩しに延長されてしまうか否かは今年が最大の山場です。

青空文庫の発起人である富田倫生さんが年頭の挨拶で「全書籍電子化計画と著作権保護期間の行方」を書いておられますので、是非お読みください。

著作権延長反対運動の開始に寄せて

今回、この運動を開始したのは以前に図らずも主導的立場を担うこととなった「輸入権騒動」の苦い経験があるからです。当時は短期間で6万人近い反対署名が集まり、mixiでも1000人以上が参加する巨大コミュニティが形成されるなど一大ムーブメントになった一方で著作権法の改悪を阻止することは出来ませんでした(もちろん、その後に政府の姿勢が「何が何でも知的財産権強化」的なスタンスから少しずつ変わって来るなどの成果があったことも事実ですけれど)。

そして今、文化庁アメリカ政府からの外圧を受けて郵政民営化の次は著作権延長」を合い言葉に何が何でも著作権「死後70年・公表後95年」に延長し、青空文庫を始めとするパブリック・ドメインに立脚したアーカイブ事業を生贄に捧げようとしています──E.EldredProject Gutenberg of Australiaのように。

筆者と同い年である横山久芳・学習院大学助教授の論文『ミッキーマウス訴訟がもたらしたもの』(Jurist・2003年5月1-15日号)、さらには同論文を更に発展させた「著作権の保護期間延長立法と表現の自由に関する一考察」(学習院大学法学会雑誌・39巻2号)に出会い、大いに励まされてから日増しに強まる一方の外圧に対して「ダビデの石」を命中させられないだろうか──そんなことを考え続けた末に出した結論は「先手必勝」でした。とにかく著作権延長が著作権法第1条の目的である「文化の発展」にとって有害であることを徹底的に立証し、これからもプロパガンダ的に繰り出されるであろう延長賛成論を凌駕するしか無いと確信しています。
文化審議会著作権分科会法制問題小委員会が最終結論を出すまでに、目前に迫っている「文化の危機」を克服するために最大限の努力をしようじゃないですか。

(2005.11.23にmixi著作権延長反対」コミュニティで自己紹介に代えて書いた文章を一部再構成)

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